イリノイ大学留学記

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の日本人留学生によるリレーブログ

Fall 2021 - ゆずき

お久しぶりです!慶應大学3年のゆずきです。

 

UIUCでは春学期の履修も始まろうかという時期ですが、来期ラボの単位を取得するためにProposalを書かなければいけないということを今日知り、不安に打ちひしがれています…

 

今回は、秋学期僕がどんな授業をとっているか簡単にご紹介します!今期は5科目履修しています。慶應での専攻は生命情報学、UIUCでの専攻はdepartment of molecular and cellular biologyです。これらの専攻に興味のある方は是非参考にしてください~

 

※MCB: Molecular and Cellular Biology / CHLH: Community Health / STAT: Statistics の略

 

MCB 244 Human Anatomy & Physiology I

この科目では人体の構造と機能について勉強しています(なんとも医学部ぽい!) アメリカのMedical Schoolは学位を取得した後に入学する仕組みになっているので、医者を目指す学生、いわゆる”Pre-med”の学生は生物学などを学部中に専攻し、医学部受験に備えるようです。この科目はそんなPre-medの生徒で溢れかえっています。内容は高校生物の復習に加え、 筋肉や骨、皮膚について詳しく勉強するといったもので、最初こそついていけていましたが、医学用語が530000個くらい出てきたあたりで履修したことを激しく後悔しました。。。生物系を志す人は、取っておいて損はない科目だと思います。

 

MCB 314 Introduction to Neurobiology

ヒトはどうやって恐怖や喜びを感じるのか、なぜ転ばずに歩けるのか、なぜ食欲がわくのか、といったことをゴリゴリの生物学を通して学びます。先生の教え方がとても上手で、知っているつもりの内容でも引き込まれるような魅力があります。学期中に4回試験があり、そのたびにExtra creditと称して試験問題を作ってみるという課題が出ます。どうやらその問題が次年度以降の試験に使われているようで、過去の学生が作った鬼畜な難易度の問題に苦しめられています。今期一番楽しくて一番大変な科目です。

 

MCB 461 Cell & Molecular Neuroscience

上で紹介したMCB 314のうち、神経の発生、形態などの細かい内容を細胞生物学の視点から理解するといったコンセプトの科目です。2週に1回、論文を読んでその内容についてディスカッションをする回があり、アメリカらしい活気のある授業です。先生はおそらく非ネイティブなのですが英語は母国語かと疑うくらい上手で、自分自身のモチベーションになっています。

 

CHLH 200 Mental Health

精神疾患アメリカでの診断基準や治療法、病理について公衆衛生学的な立場から学ぶ科目です。よく外部からの講師の講演があり、アスリートの拒食症、性暴力、精神疾患患者への接し方など多様な視点からこころの異常について学びます。予防の大切さを考えさせられます。日本でもあったらいいなと思う科目ランキング1位です。

 

STAT 212 Biostatistics

初歩的な統計学のうちP値、検定、ANOVAあたりまで勉強します。4週目くらいからRを使ったレポート課題が課され、良い経験になっています。先生が統計学教育の専門家らしく、厳密かつ明快な解説を加えてくれるので非常に分かりやすいうえ、なんと毎日オフィスアワーが開催されています。統計学の基本を学ぶことができる充実した科目です。

 

以上です!

 

今期は5科目中2科目(MCB244, 314)がオンラインだったのですが、やはり自分は対面授業の方が向いていると感じました。怠惰な人には生活習慣を作るという意味で対面授業がよいのかなと思います。

気が早いですが、コロナ後の大学の授業はどのように展開していくのか、という疑問が頭の中をよぎりました。コロナ禍に入って最初の1年は機材やソフトウェアの設備がかなり大変だったという話を慶應ではよく聞きましたが、今年以降は去年度の録画を使いまわすことができたり、先生の方々もオンラインのスタイルに慣れてきたりしていると思うので、今以上の対面・オンライン併用型の柔軟性が生まれるのを期待したいところです。

 

オンデマンド形式の利点として、録画を繰り返し見て勉強できる、時間、場所に縛られなくなるという点が挙げられると思います。一方で、時間、場所を縛られることによるメリット、つまり生活のリズム作りや友達作り、議論の活発化といった要素も対面授業の魅力であると思います。

 

これらを考えると、「対面授業」+「授業を録画し、後にオンラインで公開する」スタイルの授業が良いのかなと思います(先生の負担は増えますが...)。このようなハイブリッド型によって、生徒側にも選択の自由が生まれるといいな~と思っています。オンデマンド授業の発達によって、時間・空間の広がりが生まれて、生徒がそれぞれの最適な環境で学べるようになる - というと何だかかっこいいですね、笑

 

ちなみにこの(対面)+(録画配信)の形式はUIUCでは多く取り入れられています。このような授業の例に限らず、寮のカードキー、キャンパスの至る所に見られる電子掲示板なんかを鑑みるに、デジタル化という点では慶應よりUIUCに軍配が上がると思います。学費の差か文化の違いか、ともかくこの恵まれた環境を余すことなく使い倒していきたいと思います。

 

それではまた!お読みいただきありがとうございました!!