イリノイ大学留学記

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の日本人留学生によるリレーブログ

Spring 2022 - ゆずき

ゆずきです!

 

先学期ではバイオ系の授業を取っていたのですが、今期はコンピュータサイエンス統計学の授業を多く取っています。というのも、バイオ系の授業は

 

「色々覚えたけど全部忘れたわ」

 

状態になることに気づいたからです。悲しいかな、知識は身につけたそばから忘れ去られてしまうのです。ああ諸行無常。ということで、春学期では、何か手に職身につけるために、

・実装や実験などのhands-on experienceがあるかどうか 

・独学でその分野を学ぶことが困難かどうか

を基準に授業を選択しました。一つずつ紹介していきます。

 

PSYC: Psychology

CS: Computer Science

STAT: Statistics

MUS: Music

 

 

PSYC489 Neural Network Modeling

ニューラルネットワークの実装手法について学んでいます。ニューラルネットワークとは、哺乳類脳の神経細胞ニューロン)活動の数式モデル、あるいはそれに着想を得たネットワークの総称で、要は生物の脳の情報処理プロセスをコンピュータで再現しようとしたものです。脳そのもののモデリングに使われたり、機械学習などの脳とは全然関係ないところで使われたりしています。全体で15人ほどの少人数授業で、個人的には居心地がいいです。

 

PSYC396 Emotion, Cognition & The Brain

ヒトの感情と認知との関係、それがどのような脳の構造・機能によって実行されているのかを学びます。認知とは、平たく言うと「物事をどのように捉えるか」というものです。授業では「どのような感情を引き起こす出来事が記憶に残りやすいのか?」「ヒトは感情をどうやってコントロールしているのか?」といった問いを扱います。psychologyの授業の中ではかなり神経科学に寄った内容で、聞いていて面白いです。

 

CS440 / ECE448 Artificial Intelligence

AIの仕組みを、理論的背景やPythonによる実装を通して学びます。AIの定義は専門家の間でも意見が分かれるところですが、今のところ「過去のデータの学習に基づいて、自律的に判断をするシステム」みたいなものだと思っています。この「学習」のやり方が沢山ありまして、ニューラルネットワークも手法の1つとして使われています。

課題はいりぱん君と助け合いながらやっています。彼のプログラミングがペーペーなら僕のはペーペーペーですが、なんとか食らいついてやっています。

 

STAT431 Applied Bayesian Analysis

ベイズ統計学の理論を中心に学びます。ベイズ統計学とは、簡単に言うと「すでに知られている事象の確率を使って、未来に起こる事象の確率を予測する」統計学です。なんだか小難しい印象がありますが、理論の根底は高校で習う条件付き確率の公式から来ています。ちなみにAIの基礎もベイズ統計学の考え方から生まれました。週に2個の課題があり、数弱にとっては中々きついですが、自分の研究に必要なのでこれも食らいついてやっています。

 

MUS485 University Band

こちらはなんと誰でも参加できるウインドオーケストラの授業です。4月にある本番に向けて、週に12時間の全体練習を行います。一応オーディションがありますが、全員入れるとの噂です。僕は日本から楽器を持ってこなかったのですが、MUSの大学院生に聞いたら「テナーサックスは余ってるから貸してやるぜ!」と二つ返事で快く貸してくれました。こういうサービスはイリノイ大学の学費の高さに感謝ですね。

 

 

以上が今期の僕の授業です!これとは別に研究室での活動もしていますが、「留学生(大学のシステムでは専攻なしとして扱われる)が取れる研究の単位はないよ」と言われて単位換算することができませんでした。悲しいかな、悲しいかな。4月末に学部生のための学内学会があるらしいので、それに向けて準備していこうと思います。

 

それではまた!