イリノイ大学留学記

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の日本人留学生によるリレーブログ

Thanksgiving -平山-

お久しぶりです。平山です。

 サンクスギビングの週が終わり、いよいよ期末試験だ。冬の寒さで、心なしかキャンパスに現れる生徒数も減ったように感じる。
 さて、私のボストンキャリアフォーラムについて。私はウォークインイベントなどには参加せず、会場の貧相なクラムチャウダーを味わったぐらいでサンクスギビングをむかえた。私は帰国後も遡及進級をしないため(いわゆる“留年策”を採るわけだが)、就活準備は一切しておらず、参加の価値を現段階で感じなかった。しかしイタリアに留学中の友人がこのキャリアフォーラムのため訪米するとのことであったので、彼との再開のついでと言っては何だが、会場に訪れた次第だ。私見にすぎないのだが、留年策を採ることを固く決している交換留学生はボスキャリに参加してもあまり意味が無いように感じる。世にいう“ワンチャン”的思考のようなもので応募しても、本気で内定を取ろうとしている正規留学生と帰国直後に就活を控える交換留学生に無礼である(と考える)し、就活自体の成功可能性も低いであろう。勿論、就活準備も万全で留学を向かえるだろう優秀な皆様ならば、ボスキャリ参加の価値もあるのであろうが。

 
 さて、今週はイリノイ留学生のThanksgivingの過ごし方ということで、私の休日がいかなるものであったかについて綴る。
 私は月曜日から日曜日までのちょうど一週間のサンクスギビングのうち、月曜と火曜をボストンで、水曜から土曜までをニューヨークで過ごした。
 私は食事が趣味なのでそれをメインに紹介する。できるだけ前の執筆者と被らないロケーションをご紹介したいが、かぶった場合は申し訳ない。

 


<ボストン>

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 クインジー・マーケット。1824年にその起源をもつ、歴史ある施設。その名は当時の市長にちなんでつけられたらしい。施設の中間地点には休憩地点かのごとく沢山の椅子が列を成しており、昼食をとる顔の堀の深い外国人家族達の姿、広がるチーズと肉の匂いが“アメリカ感”を演出してくれる(気がする)。マーケットと聞き市場を想像していたが、実際施設内は殆どが飲食店。外には小さな生活雑貨やアメリカ出身の某ハイブランド(現在はアウトレットの印象・価格帯などから高級に分類されない場合も多いが)、総合化粧品店などの路面店が賑わいを見せている。ちなみに発音はクインシーではなくクインジーとのこと。


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 言わずと知れた、世界最高学府のひとつ・ハーバード大学サンクスギビング中のため、今最も勢いあるCから始まる某国の観光客がキャンパス内を占領しており、繊細で深みある学問の薫りに唐辛子と山椒の香りが混ざり、なんともミスマッチであった印象。キャンパス自体は20分ほどで観光し終わった。そこまで見る場所が多いわけでないないが、強いて言うのであればジョン・ハーバード氏(銅像)の鎮座するユニバーシティーホール前が目玉スポットであろうか。ボスキャリ終わりの女子大生数人が(インスタグラムにアップ・ロードするため)写真を代わる代わる大量に撮影していた。彼女たちが撮影したのは、果たしてハーバード氏なのか、それともボストンなう♡の自分たちなのだろうか。話は戻るが、このジョン・ハーバード氏の銅像、実は3つの嘘が隠されている。第一に彼はこの名門校の創設者ではない。第二に、銅像下部記載の大学設立年号に誤りがある。そして、何を隠そうこの銅像、モデルは彼でなく、当時の学生。ハーバード大学も実はFランク大学なのかもしれない。

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 ここはボストンのダウンタウンであるコープリーのショッピングモール、プルデンシャルセンターの目の前に位置するAbe&Louie’sというカジュアルレストラン。ボストンといえばシーフードだが、目玉はステーキ。勿論シーフードの扱いもあるとのことで入店。ロブスター・ステーキとオリジナルサラダを注文。盛り付けはアメリカ流。美しくない。ロブスターはその身の弾力感を少し失ってしまっている印象だが、シーズニングは文句なし。ステーキはエイジング処理がなされ、骨付きとのことでカットし、サーブするように注文。焼き加減はレア。うん、最高の出来だ。溢れる肉汁と、いい意味での獣臭さ。ステーキハウスを名乗るだけある。サラダはバルサミコとペッパー&ソルトの極めてシンプルなもの。少しドレッシングの量が多い。サーブやオーダーの速度もサンクスギビング期間であることを考慮すると素晴らしかった。チップは文句なしの25%。この満足感で、一人120ドル程度(チップ除く)。ぜひ機会があれば訪れていただきたい。

Address: 793 Boylston St, Boston, MA 02116

 

<ニューヨーク>
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 ブルックリン橋と、ブルックリン方面へ橋を渡り終えたすぐ近くにある大人気ピザ店・Grimaldi’s。ブルックリン橋を渡った日は幸運にも快晴で、最高の景色を楽しむことができた。ただインドア派の私には橋を渡りきるのは体力的にきつかったが。写真のピザ・レストランは二時に訪れたのにもかかわらず長蛇の列。テーブルに通されると看板にCASH ONLYの文字。皆さん、来店の際はお気をつけください。ピザが到着すると、噂通りの大きさ。Sサイズなのに1.5人前〜2人前はある。シェア推奨である。味。ご自慢のモッツァレラが薄めのピザ生地の上で主役となり、トマトソースとマリアージュ。このピザ、プロテイン(肉類)は追加料金のトッピング制。あえてのトッピングなしを頼んだが、正解だった。ここの真の実力が測れた気がする。このピザはたしかにうまい。チーズがフレッシュで、ソースは酸味強めのナチュラル思考。ピザ生地は薄めなのにもっちりで、絶妙な焦げ感コントロール。しかし、再訪があるかと言われると答えは否だ。確実に旨いのだが、30分ほど待つまでの“強み”がない。顔立ちが素晴らしく、教養もあるが、男性を虜にするだけのコレという決め手のない女性のよう。皆様の感想もお聞きしたい。ぜひ寄ってみて欲しい。(価格はピザ一枚15ドル〜だった。)
Address: 1 Front St, Brooklyn, NY 11201


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こちらはNYの名物朝食、Sarabeth’s。すっかり日本でもお馴染みとなった。世にいう、エッグベネディクトで有名。注文したのはスタンダードなエッグベネディクトと、そのサーモンヴァージョン。ドリンクのフレッシュジュースもなかなか良い。朝にピッタリの酸味強め。エッグベネディクトを試す。絶妙な火加減の黄身を潰すと、クリーミーなソースと混ざり下方のブレッドを濡らす。とてもエロティックな切り口。一口ほうばる。なるほど。私はこの瞬間、エッグベネディクトの完成からサーブまでに時間差があったことを確信した。その決め手は温度。エッグベネディクトはその絶妙な温度感が美学であるのにも関わらず、“冷たさ”を感じた。名店が名店たる理由のひとつには、「どんな状況においても自らが誇る一皿を完璧な状態でサーブできる」ことが挙げられると思う。この店にはそこが足りていなかった。価格についても、この計4品で90ドルほど(チップ抜き)。サービスと味を考慮するとかなり高めの価格と言わざるを得ないであろう。ちなみに店舗数が多いのだが私が今回訪れたのはセントラルパーク前の店舗。かなりの人気スポットではあるので、昼のセントラルパーク来訪の前に、ぜひ立ち寄ってみて欲しい
Address: 40 Central Park S, New York, NY 10021

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 言わずと知れたセントラルパークでの夕焼けの景色。気温的にこの時期セントラルパークを散歩するには少し肌寒かった。防寒必須。基本的には景色がきれいな広い公園、というイメージだが、公園内で馬車に乗れる。私は馬糞臭く、かつ席部分を定期的に掃除しているという確証を得られなかったため乗ることは断念したが、そんなことは気にしないという方ならぜひ試して欲しい。

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 グランドセントラル駅。サンクスギビングのためか、構内は溢れんばかりの人で埋め尽くされていた。地下がフードコートになっており、そちらもまた大繁盛。SHAKE SHACKの姿も。地下鉄まで少し分かりにくいが少し迷ってみるのもまたいい思い出になるであろう。
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 エンパイアステートビルディングからの夜景。ここは実際に外にでて景色を楽しむことのできる展望台がある。東京スカイツリー同様、最上階に行くにはオプション料金が発生する。実際に最上階にも行ったのだが、下の階と正直景色にあまり質的にも満足感の観点からも大きな違いはない。はっきり言って、“金の無駄遣い”感が私には強かった。訪問する際はオプション料金を払わずとも最高の景色を楽しむことができるので、そちらをおすすめする。
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 サンクスギビングの実質最終日であった土曜日の夜にはゴシップ・ガールで有名なThe Towers Lotte New York Palaceに宿泊した。外装・内装ともにすっかりクリスマスムードを纏った歴史あるそのホテルであるが、名前からわかるようにK国の某大手財閥に買収されているようだ。The Towersはこのホテルの41階からを表し、入り口が異なる。宿泊したのは運良く53階だったため景色もかなりよかった。部屋自体はかなり広く、カーテンが全自動であることには驚かされた(お恥ずかしながら、今までカーテンが自動のホテルには宿泊したことがなかった)。特に気に入ったのは、アメニティ。ホテルの質というのは単に客室や清潔度、サービスや立地だけでなく、アメニティ等、細部に宿ると考える。サンクスギビング最終日ということでかなりの価格であったが、満足感ある宿泊であった。

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 まともな食事の方も一応紹介しておく。訪れたのはエンパイアステートビルディングのすぐ近くに位置するAi Fioriという一つ星イタリアン。フランス料理もいいのだが、たまには高級なイタリアンも試してみたいとの思いで訪れた。店員の英語がかなり下手くそな印象。頼んだのはシェフのおまかせコース七品。シーフード系アピタイザー3品+ポワソン1品+ヴィアンド1品+フロマージュ+デザートのコース。印象に残ったのは添付した二点。まずはアピタイザーのうちの1品。完璧な具合にボイルされた蛸に濃厚なシーフードクリームのソースをあわせて。蛸の食感が、なんとも絶妙。ヴィアンドはラム。皿を目にし、まず驚いたのはその火加減。今まで食したラムの中でもダントツで、レアだ。言い方を変えると、火の通りが非常に甘く見える。果たして、大丈夫か。恐る恐る口にほうばる。ほう。素晴らしい。いい意味で、ぬるいのだ。それでいて、臭みがない。ラム自体の脂のノリも絶妙。パンプキンソースで完璧なマリアージュを演出。至高の一皿であった。ちなみにラムは寄生虫が比較的少ないらしいため、安心した。価格は一人250ドルほど(チップ抜き)。イタリアンにしては強気の価格設定ではあるが、非常に満足。イタリアン好きはぜひ訪れてみてはどうか。
Address: 400 5th Ave #2, New York, NY 10018


以上が、私のサンクスギビングブレイクである。
読者の皆様も留学の際は素敵なサンクスギビングをお過ごしください。