イリノイ大学留学記

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の日本人留学生によるリレーブログ

授業紹介 -Mits-

今日は、東大から交換留学しているMitsさんに書いてもらいました!↓

 

 

交換留学生は1セメスター12単位以上の授業を取らないといけません。大体1授業3単位で、語学や他の負担の重い授業は4単位だったり5単位だったりします。

 

自分が今学期取っている授業は4つ13単位で、Inter Microeconomics, Inter Macroeconomics, Environmental EconomicsとIntermediate Spanishです。レベル的には最初の2つがjuniorレベル、Environmental Economicsがsophomoreレベル、Spanishはあまり学年は関係ないと思います。

現地の学生はもっと多くの授業を取る人が多いですが、日本からの留学生は4,5個の人が多い気がします。自分も英語で講義を受けた経験があまりないので、最初は様子見も兼ねて負担になりすぎないよう授業数を抑えました。

 

・Inter Microeconomics

中級ミクロ経済学。週2回80分。内容自体は東大で一度やった(ことになっている)のですが、自分が当時あまり真面目に授業に行っていなかったため復習も兼ねて取ったというのと、英語で基本的な経済学を扱えるようになっておきたいという考えで履修しました。扱う問題の難易度や進む速さから見ると東大の授業の方がかなり難しいですが、何しろ英語でやらなくてはいけないのがつらいです。数式の読み方とか最初は慣れずにかなり大変でした。ただ、数式やグラフを使う場面が多いので最悪分からない英語があってもカバーが効くのが救いです・・・。ちなみに、教授が中国系の人で訛りが強いですが、こちらの学生は特に問題なく聞き取れているようで、訛りを気にしないでガンガン喋ることができるようになりたいなぁ、とか思います。

 

・Inter Macroeconomics

中級マクロ経済学。週2回80分。これも履修した理由はミクロと大体同じです。内容としてはこっちの方が課題も難易度もハードです。教授も完全なネイティヴで話すのも早く、最初の数週間は聞き取るので精一杯でした。講義とディスカッションが一緒になった授業で、たびたび教授が「これを求めるのにどうすれば良いと思う?隣の人達とちょっと話し合ってみて。Go! 」みたいな感じでディスカッションを呼びかけつつ授業が進みます。アメリカの授業で日本と最も異なると感じるところは、日本では授業中に教授の話を遮らずに黙って聞く学生がほぼ100%なのに対し、アメリカでは少しわからないことがあったり疑問に思うことがあったりするとすぐ手を挙げて発言します。分からないことを聞くのが恥ずかしいという発想は無いです。教授も質問がガンガン出てくる前提で授業を進めているので、質問への対応も丁寧です。ちなみに自分はリスニングが苦手なので教授の講義は聞こえても他の生徒の発言が聞き取れないということが未だに多々あります・・・。

 

・Environmental Economics

環境経済学。週3回50分。sophomoreレベルなので課題や内容自体は簡単ですが、経済と環境や政策を結びつけるトピックに興味があったので履修しました。例えば、工場の稼働によって環境が汚染されるとき、どれだけ稼働させるのが社会にとって一番良いのか、そのためにはどのような政策を策定すれば良いのか、といったトピックを扱います。経済学をかじったことがある人は外部性辺りの話が重点的に出てくるようなイメージと言えばわかりやすいと思います。seniorレベルの環境経済学も開講されており、本来はこちらを取りたかったのですが大学に着いた時点で満員だったため諦めました。来学期取るかもしれません。東大ではこの手の授業は経済学部では開講されていなかった・・・はず。1週間に講義が2回と、問題を実際に解いてみるTAセッションが1回です。ちなみに、こちらの大学生は数学がめちゃくちゃできない人が多く、教授やTAも微分積分や図形の面積の求め方など、説明しなくてもよさそうな所を丁寧に説明する人が多いです。

 

・Intermediate Spanish

中級スペイン語トリリンガルになりたい!週2回50分&大量の課題。東大で1年間スペイン語第二外国語としてやっていたため、基本的な文法が分かっていて少し喋ることもできるので取ってみました。授業でやるのはTAとの会話や生徒同士のグループワークで、ほぼ全時間がコミュニケーションに費やされます。課題が大量に出て、文法や語彙は授業外で予習復習するスタイルです。日本では文法や読み書きが重点的に行われていましたが、こちらではコミュニケーションに必要で実践的なスキルが培われやすい気がしてかなり良い感じです。ただ、この話をアメリカ人のルームメイトにした際、「コミュニケーション力はつきやすいけど、語学が上達してきて難しい文章を書いたり抽象的な議論をしようとしたりすると、土台となる文法がしっかりしていた方がやりやすいから、一概にはそうとは言えないよ」という意見をもらいました。言語の勉強はムズカシイナ。

 

全体的に、英語で長い間講義を聞くのは集中力も続きにくいし結構ハードです。また、東大のように期末試験一発勝負ではなく、平常点や課題点の割合も低くないので、コンスタントな学習が求められます。難易度的には東大の方が高いとはいえ、試験前に一夜漬けできない分こちらの方が勉強はハードです。たぶん英語が母語でもこちらの方がハードだと思います。体調を崩さずできるだけ全ての授業に出席できるように頑張ります。