イリノイ大学留学記

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の日本人留学生によるリレーブログ

最終ブログ #保坂

今回は早稲田大学から留学していた保坂くんに書いていただきました!

 

 

こんにちは、保坂です。そろそろ留学が終わって総括する時期ですが、イリノイ大学での留学生活の振り返りは他の留学生の方々に任せて、僕は「意外と身近な留学」というテーマについて書きたいと思います。

 

 

 

僕は山梨の田舎で育ちました。高校を卒業する頃は、国外での経験といえばせいぜいアジアに旅行した事があるくらいで、それまで海外で過ごした日数は1週間にも満たないほど、海外とは無縁の人間でした。当時はアメリカなんて遠い世界で、海外留学なんてつゆほども考えたことはありませんでした。そんな僕が最初に海外に目を向けたのは、卒業後に高校の先生から海外留学を勧められたことがきっかけでした。その先生は僕の当時の将来設計などを聞いて軽い気持ちで勧めただけなのかもしれませんが、視野の狭かった僕にとっては海外という選択肢を意識するようになったことは非常に大きな意味がありました。それ以降、将来の可能性を色んな面で広げる手段として、自然と海外留学を目指すようになりました。

 


僕が入学した早稲田大学は幸運にも学生の留学促進に力を入れていたので、留学に関する情報自体に困ることはあまりありませんでした。そして情報を知るにつれて、一般的な留学のハードルというものが見えてきました。それはお金と語学力です。以下、僕の経験から対処法を挙げてみたいと思います。ただ、あくまで一般的なアメリカの学部留学を想定しているので、個別のケースにより大きく事情が異なり得ることはご了承ください。

 

 

 

<お金>

多くの人が現実的に直面する問題としては留学にはお金がかかるということだと思います。もし、アメリカの私立大学に4年間正規で留学しようと思えば、そもそも学費が高いことに加えて留学生価格にもなり、さらには現地での生活等にかかる費用も考えれば気軽にできる選択ではないかもしれません。それは極端な例かもしれませんが、ふつうどんな留学形態を選んでも日本で学生生活を送るより金銭的な負担は大きくなると考えて良いと思います。

 


一つ目の解決策は、交換留学を利用することです。留学形態には、交換留学・語学留学・私費留学など様々ありますが、交換留学の場合は基本的に現地の大学の学費を払う必要がありません。代わりに所属している日本の大学の学費は払うわけですが、まずアメリカの大学の学費の方が高いので(場合によっては数百万円も高い)、金銭的負担はかなり減ります。

 


もう一つは海外留学奨学金を利用することです。日本社会では留学を促進しようという機運があるために、留学する人のための給付型(ここ大事!)奨学金が豊富に用意されています。その割には実際に留学をする学生は少ないので、競争率はあまり高くありません。例えば僕が頂いているトビタテ!留学JAPANは、コースごとに異なりますが全体で倍率は約3倍程度です。他にも知名度が低いだけで充実した奨学金がもらえる制度は探せばたくさん見つかるので、海外奨学金獲得のハードルは実はそんなに高くありません。いくつかの奨学金を組み合わせれば自己負担ゼロということも可能なのでぜひ利用してください。

 


<語学力>

次なる懸念は語学力でしょうか。アメリカの大学に行きたいけど、英語力がないので行けないと思っている方も多いかもしれません。ですが、そもそも多くの人にとって語学の上達は留学の目的の一つでもあるので、あまり気にすることはないと思います。もちろん高いに越したことはないですが、語学力だけが原因で留学を諦めているのだとしたらもったいないことだと思います。ただ、各大学には最低限要求されるスコア(英語ならTOEFLなど)があるので、現実的に超えなければいけない語学力のラインがあるのは事実です。目指す大学によってスコアは異なりますが、本当にモチベーション高く計画的に対策をすれば、目標のスコアを取ることは十分可能でしょう。実用レベルの会話力などはその後に取り組めばいいと割り切って試験対策に特化するのも戦略としてはありだと思います。もしそれでも難しい場合は語学留学を検討すると良いかもしれません。求められるスコアはぐっと下がるので、まず語学留学して語学力を上げてから希望の大学に留学するという方法もあります。

 

 

 

この2つのハードル以外にも考えられる障壁はあるかもしれませんが、大体どれも考え方・やり方次第で解決できると思います。

 


周りに留学経験者がいなくて情報が少なくても、インターネットがあります。このブログのような留学生ブログや留学情報発信メディアから留学関係のFacebookグループなど、求めれば情報はいくらでも手に入ります。

 


進級に関する懸念があるなら、早稲田もそうですが大学によっては卒業を遅らせずに一年間留学することも十分可能ですし、たとえ留学により留年しても様々な面でプラスにはたらくという考え方もあります。

 


留学生活や授業が不安でも、いざ来て始まってしまえば何とかなります。楽という意味ではありません。食べ物も合わないかもしれないし、上手くコミュニケーションを取れないかもしれませんし、授業で恥をかくことになるかもしれませんが、日本にいるのと同じような環境を求めるならそもそも留学する必要はないと思います。

 

 

 

以上長々と述べましたが、要するに海外留学の壁は思っているほど高くないんだと言いたいです。海外と無縁だった僕でも、こうして短い間ですがアメリカに留学することができました。「留学したいけどできない」と言う人にしばしば出会いますが、それは大抵できないと思い込んでいるだけか、それを打開するモチベーションがないだけなのではないかと思います(もちろん本当に難しいケースも中にはあるのでしょうが)。案外ハードルは高くありません。ただ、だからと言って何でもかんでも留学すれば良いとは思いません。熟慮した上で自分に留学が必要だと思うのなら、簡単に諦めないでくださいということです。

 

 

 

読んでいただいてありがとうございました!