イリノイ大学留学記

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の日本人留学生によるリレーブログ

ストライキなう

イリノイ大学では2月26日の月曜日から、大学院生を主体としたストライキが起こっている。
大学院生や、彼らを支持する教授らが列を組み授業の行われる建物の周りを何度もまわっている。
手にはバケツやプラカードなど思い思いのモノを持ち、朝は7時から日が沈むまで大きな声や音を立てて抗議を続けているのである。
掛け声も日に日にレパートリーが増え、
「Tell me what democracy looks like」

「This is what democracy is like」
(民主主義とはなんだ!! これが答えか!!)
「Shut it down」
(授業を取りやめよ!!)
などといった声が連日のように響き渡っている。
参加者専用のシャツが売られたり、賛同を示すバッジも売られるなどその規模は日に日に拡大しており、参加者も当初に比べ格段に多くなっている。

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(ストライキ隊列の様子)

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(中央講堂を取り囲むストライキ隊)

 

なぜこんなことが起きているのか?
それを説明するには、まず大学院生のTA業務から話を始める必要がある。
一般的に大学院生は自分が授業を履修する他に、自分の専門に関する授業のTAを担当している。
TAの任務は幅広く、教授に代わりTAが講義を行う授業もある。
このTA業務には給与が発生し、さらに一定の労働時間と引き換えに学費の一部免除という特典が付いてくるのである。
この制度のおかげでTAたちはモチベーションを高く維持でき、学部生に対して適切な指導を行うことができるのである。
アメリカの大学は授業料が高いことで知られるが、これは大学院も同じでありTA業務による学費一部免除から多大なる恩恵を受けている学生が大勢いる。

しかし、今年度改訂されたTA業務に関する文章において、この学費免除が一部条件付きになるととれる文言が追加されたのである。
これに加え授業料が上がり、院生はTA業務以外にも数百ドル自己負担する必要が生まれた。
当然大学院生は抗議したのだが、大学側は交渉の姿勢を見せなかった。
これが今回のストライキに繋がったのである。
大学院生を中心にGEO(Graduate Employees’ Organization)が組織され、授業に使われる建物や教務課のオフィスの周りを取り囲み、大きな声で抗議活動を開始した。
ストライキの影響はTAを必要とする授業に強く、担当TAが抗議活動に参加している授業の多くは休講、もしくは教室が変更になった。
私の友人にも授業がほとんど無くなり、暇な一週間を過ごしたという人もいた。
(私の授業が無くならないのはなぜなのか)
現在もストライキは続いており、大学院生側の要求が満たされない限り終わることはないという。

(3月6日現在)

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(教室の廊下に寝泊まりする大学院生)

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(貼紙で埋まった教室の扉)

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(大統領のクリスマスボーナス額とTAの年間給与の差に抗議するプラカード)

 

 

 

 

 

…………というのがストライキ中に書いた内容であったが、3月9 日金曜日にとうとう大学側が交渉に応じ、ストライキが終焉を迎えた。
大学院生のW氏によると、大学側が新たに提示した契約内容にはデモの参加者の98%の賛同が得られたという。
契約の内容は、TA業務による授業料免除は元の金額となり、給与は1年目に4.5%、2・3年目に2%にアップし、4年目以降については交渉次第だという。

 

日本では学生運動が行われた60年代以降、大規模な学生によるストライキは起こっていない。
私自身学生による抗議活動というものに全く馴染みが無かったため、今回のストライキはとても新鮮なものであった。
なお留学中の友人から聞いた話では、イギリスの大学でも教授たちによるストライキが起きているようだ。
イリノイ大学と時期を同じくし、2月末から始まったこのストライキには複数の大学が参加し、教授らが年金支給額が減らされたことに抗議し授業をボイコットしているとのことだ。
期間もイリノイ大学とは比べ物にならないくらい長く、現在も進行中とのことである。

 

 

 

 

・・・・・・締まらない文章になってしまった感が否めないが、現在中間試験期間真っただ中なので、これに免じて許していただきたい


テストが終わったら春休み!!!


楽しみで仕方がない(‘ω’)

大学生のうちにどうしても行ってみたかった場所に行ってきます


次回のブログはご想像の通り春休みについてになるので、乞うご期待