イリノイ大学留学記

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の日本人留学生によるリレーブログ

授業紹介 Part.2 -平山-

『13:00スタートの授業、隣の中国人の息、85%ニンニク臭』
お久しぶりです、平山です。シャンペーンは寒い冬を越え、春の陽気といったところでしょうか、最低気温も0度以上の日がちらほら現れ始めました。

さて、今回は後期セメスターの授業紹介ということで、同大学所属商学部の三輪氏と同様、我々の専攻である広告学の授業を紹介させて頂く。

【ADV312: ADVERTISING HISTORY – Dr. Jason. P. Chambers】
 ひと目コースのタイトルを見れば分かる通り、この授業は広告の歴史について学ぶ授業である。特にアメリカ広告史。例えば、リステリン。隣に偶然座り合わせた、ランチに祖国の味を堪能したばかりのその中国人ですら、使うにせよ使わないにせよ、リステリンの名を一度は耳にしたことがある。リステリンは果たしてどのように誕生し、どうマーケティング(広告)されたのだろうか。あの有名なオレンジジュースメーカー“Sunkist”はどういう経緯で生まれたのだろうか。世界大戦時、国民皆が政府の煽りで物資節約に励む中、広告業界はなぜ生き残れたのか、そしてどのような役割を果たしたのか。これらを大量の“リーディングによって”学ぶのがこのクラスだ。というのも、この授業、はっきり言ってリーディングから学ぶことが全てで、授業自体は有意義とは言い難いのである。プロフェッサーの講義は抽象を極め、生産性に乏しく、リーディング以上の実りは一切無い。少なくとも私の経験だと、歴史の授業ではリーディングに無尽蔵に散らばる知識を理解・暗記可能にするため、はじめに時代背景を解説→その背景に呼応し誕生・発展していった事項の紹介という具合に授業が流れていたと記憶している。しかし本授業ではプロフェッサーは教科書に散らばる知識をランダムに解説するだけで、逆に歴史構造や時代感がわかりにくくなってしまうのである。
 それにもかかわらずなぜわたしはこの授業を読者である皆様に紹介したのか。
その理由は、それを考慮してもこの授業の内容は興味深く、(おそらく)広告に関心のない方も楽しめるからである。「それならば家で一人教科書を読めばよいでないか」という反応があるかもしれない。しかし私のような、たかが週100ページのリーディングを予習以外で、もしくは日々のタスク外で行うことのできない低スペックな人間は、「せねばならない」環境に置かれたくらいの方が丁度良いのだ。またテストも計四回あるので、怠け者のあなたにはかなりおすすめの授業。