イリノイ大学留学記

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の日本人留学生によるリレーブログ

【番外編】より良い大学院留学に向けて2学期目にできること

初めまして、こんにちは。現在Department of Linguistics、MA in TESL (Teaching English as a Second Language)課程に所属しています、大山智子と申します。本イリノイ大学に、2015年(学部2年)の秋学期から2016年(学部3年)の春学期まで、早稲田大学国際教養学部から1年間交換留学生として勉強していました。その延長線上としていま修士留学している形になります。

今回は番外編ということで、「学部留学の2学期目をいかにより良い大学院留学につなげていくか」のテーマで投稿させていただきます。現在学部生の方の中には、2,3年後もう一度院生として留学したいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。また私が学部で留学していた時、最初の一学期目は右も左もわからない状態でスタートするので、100%力を出し切れる可能性が2学期目よりも低いと感じていました(あくまでも私個人の意見です)。だからこそ、この2学期目をぜひ有意義なものにし、最大限の力を出し切って悔いなく留学を終えていただきたいと願っています。今回は、私の体験談だけでなく、これまで他の同期・先輩の方々に教えていただいた貴重なアドバイス等も交えつつお伝えしていきます。そして昨今、日本人留学生が危機的に少ない現状を踏まえ(こっちに来てから愕然としました・・)、みなさんの大学院留学の後押しのお手伝いができれば、これ以上嬉しいことはありません。投稿をご快諾くださった清水さん、森岡さん、本当にありがとうございます!

 

それでは、以下主に4点に分けてお伝えします。

 

<単位交換>

大学院留学で履修必須の科目を学部留学中に同じ大学で履修した際、単位変換が可能です。注意しなくてはいけないのは、学部時に履修する際は院生として履修する場合と比べ、単位数が1つ少ない状態で履修をします。ですので、例えば大学院に入った際に、その1単位(イリノイ大学の場合)を他の選択科目の単位で埋める必要があります。私の場合は学部も院も全く同じ大学・学科なので、作業は煩雑ではありませんでした(Programのディレクターの先生にメールで確認を取るという作業だけで済みました)。しかし、進む学科は学部時と同じでも、他の大学に留学するという可能性も大いにありますよね。その場合は、学部時に履修した単位交換できそうな科目のシラバスや授業で使ったプリントを保存しておくと、先方との話も早いかとおもいます。同じ内容の科目を繰り返し取るのは時間の無駄なので、ここはぜひ押さえたいところです。

また、学部留学の今の時点(2学期目)で院レベルの授業を取るというのはかなりの準備と覚悟を要することにはなりますが、課題の量などは院生よりも少ない、プレゼンをグループで作成するなど、いくつかの配慮は学部生のためにされています。ご安心ください。

 

奨学金プログラム>

留学資金は、大学院留学決断の非常に大きな要因になりますし、経済的な理由から留学をあきらめるのは一番勿体ないと断言します。そのためにもぜひ様々な奨学金プログラム(特に返済不要merit-basedの奨学金)に応募してみてください。奨学金応募の際にポイントとなるのは成績です。ただし、ここでもまた注意してなくてはいけないことがあります。簡単な内容の授業を取り続けると確かにGPAの見栄えはよくなるかもしれませんが、難しめの授業もどんどん取ってください。その後の大学院での学びに繋がっていくからです。特に、上記でもお伝えしたように、院レベルの授業は過酷ですが、頑張って、ぜひ後の出願に有利になるよう持っていきましょう。

 

また、ご家庭に経済的余裕がある場合でも、やはりご両親に頼らないで、奨学金やTA・RAshipを獲得しながら留学中自活していくことは、今後の人生における大きな糧になるでしょう。

 

以下、私が強くおすすめするいくつかの奨学金のリンクを載せておきます。

 

・U.S.-Japan Council 渡邉利三寄付奨学金(1年単位)

http://ja.usjapancouncil.org/watanabe_scholarship

日本学生支援機構JASSO 海外留学支援制度(大学院学位取得型)(修士課程は2年単位、途中で更新の手続き必要)(https://www.jasso.go.jp/ryugaku/study_a/scholarship/daigakuin/index.html

 

*特にU.S.-Japan Councilでは、「TOMODACHIイニシアチブ」(東日本大震災後の復興支援から生まれた、本財団と東京の米国大使館が主導する官民パートナーシップ)を基に支援のためのプログラムが数多く設けられています(http://usjapantomodachi.org/ja/)。

 

<英語関係>

アメリカの大学院の場合、GRE(The Graduate Record Examinations)のテストスコアが多くのプログラムで提出必須とされています。このテストにはVerbal Reasoning(130~170点)、Quantitative Reasoning(130~170点)、Analytical Writing(0~6点)の3つのセクションがあり、Verbal Reasoningはかなり難しいです。今から対策しても全く早すぎるということはありません。

留学生は皆このverbalで点数を取りにくいという現状を踏まえると、逆にここで高い点数を取っておけば、後々の合否審査の際に非常に良い材料になってくると考えられます。良いfundingのチャンスも待っているかもしれませんね。初めからあきらめず、徹底的に語彙力を高め、まずは150点を狙っていければいいかとおもいます。ただ分野によって審査の際に重要とされているセクションが異なってくるので、これよりも少し低めの点数でも大丈夫です。ちなみに、私がよく使っていた「Barron's Essential Words for the GRE (Barron's GRE)」という単語の参考書に載っている単語は、少なくとも全部制覇できると心強いですね(時間はかかりますが・・)。もちろんアメリカにいるときの方が洋書も安く入手できるので、将来的に米国院留学をお考えの方はこの留学期間中に購入されることを強くおすすめします。

 また皆さん既におなじみのTOEFL iBTですが(こちらは留学生全員必須です)、TAshipを獲得したい方は、教える際にもちろん話さなくてはいけないので、speakingのスコアが結構カギになってきます。頑張ってスコアを伸ばしていきましょう。

 

<推薦状>

履修中または履修済みの科目の先生の中に推薦状を書いていただきたい先生がいる場合は、今のうちにオフィスアワーに少なくとも数回は行っておいた方が、後に執筆をお願いした際に話も早いでしょう。もちろんその際に大学院進学のためのアドバイスもぜひいただいておきましょう!また、良い推薦状を書いてもらうためにはやはり常日頃の実績や態度が重要ポイントとなるので、その点も気を付けて授業を受けておくと良いと思います。